2026年のOEM業界トレンド5選|食品・化粧品メーカーが押さえるべき動向
公開日: 2026-02-21著者: OEM JAPAN 編集部
2026年のOEM市場全体の展望
2026年の日本のOEM市場は、食品・化粧品ともに拡大基調が続いています。矢野経済研究所の調査によれば、食品OEM市場は前年比3〜5%の成長、化粧品OEM市場も同様の伸びが見込まれています。
市場拡大を牽引する要因
- D2Cブランドの爆発的増加:EC販売を前提とした新規ブランドが続々と参入
- 大手企業のOEM活用拡大:自社工場を持たない「ファブレス」モデルの浸透
- 健康志向の高まり:機能性食品やクリーンビューティへの需要増
- グローバル展開の加速:日本製(Made in Japan)のOEM需要が海外からも増加
メーカーが直面する課題
- 人手不足の深刻化:製造現場の人材確保が経営課題に
- 原材料費の高騰:円安や物流コスト上昇の影響
- 品質基準の厳格化:認証要件や法規制の強化
- 競争の激化:参入メーカーの増加と発注者の選択肢拡大
市場が拡大する一方で競争も激化するため、変化に対応できるメーカーと取り残されるメーカーの二極化が進むと予想されます。以下のトレンドを理解し、自社の戦略に活かしましょう。
D2Cブランドの急増とOEMメーカーへの影響
D2C(Direct to Consumer)ブランドの急増は、OEMメーカーにとって最大のビジネスチャンスです。Shopifyなどのプラットフォームにより、誰でも低コストでECブランドを立ち上げられる時代になりました。
D2C案件の特徴
- 小ロット・多品種:初回100〜1,000個の小ロットからスタートし、売れ行きに応じて増産
- 短い開発サイクル:市場の反応を見て素早く商品を改良・投入
- デザイン・ブランディング重視:製品品質だけでなく、パッケージやストーリーにこだわる
- コミュニケーションはデジタル:メール、チャット、オンラインミーティングが中心
メーカーとしての対応
- 小ロット対応体制の整備:最小ロットを下げ、D2Cブランドが始めやすい環境を作る
- ワンストップサービス:企画、製造、パッケージングまで一貫して対応
- デジタル対応力:オンラインでの商談、見積、進捗共有をスムーズに行える体制
- 成長のパートナー:ブランドの成長に合わせて増産・新商品開発を支援
D2Cブランドの中から、年商数億〜数十億円規模に成長する企業も出てきています。早期に取引関係を構築することで、成長の果実を一緒に享受できます。
サステナビリティ対応の加速
サステナビリティ(持続可能性)への対応は、もはや「できれば良い」ではなく「やらなければ取引を失う」レベルの必須要件になりつつあります。
発注者が求めるサステナビリティ対応
- 環境配慮型パッケージ:脱プラスチック、リサイクル素材、FSC認証紙の使用
- カーボンフットプリント:製造工程のCO2排出量の算出と削減
- エシカル調達:フェアトレード原材料、動物実験フリー(化粧品)
- 食品ロス削減:製造工程での廃棄量最小化
メーカーとしてのアクション
- 環境対応の可視化:自社のサステナビリティへの取り組みをサイトや提案書で発信
- グリーン認証の取得:有機JAS、エコサート、COSMOS認証などの取得を検討
- 包装資材の見直し:環境配慮型の包装オプションを用意する
- エネルギー効率の改善:省エネ設備の導入、太陽光発電の検討
サステナビリティ対応は短期的にはコスト増要因ですが、長期的には差別化と新規案件獲得の源泉になります。特に欧米向け輸出や大手企業との取引では、環境対応が取引条件に含まれるケースが増えています。
デジタルマッチングの普及
OEMメーカーと発注者をつなぐデジタルマッチングの利用が加速しています。従来の「紹介」「展示会」中心の商流から、Web上でメーカーを探し・比較する時代に移行しました。
デジタルマッチングの動向
- 専門プラットフォームの成長:食品OEM、化粧品OEMに特化したマッチングサイトが充実
- AIマッチングの導入:発注者の要件に最適なメーカーをAIが推薦する仕組み
- オンライン商談の標準化:初回商談はオンラインが当たり前に
- レビュー・評価システム:メーカーの評価がオープンに共有される透明性
メーカーが取るべきアクション
- デジタルプレゼンスの確立:マッチングサイト、自社サイト、SNSでの情報発信
- 迅速なオンライン対応:問い合わせへの素早いレスポンス、オンライン商談への対応力
- デジタルでの差別化:写真・動画コンテンツの充実、バーチャル工場見学の提供
デジタルマッチングの普及により、地方の中小メーカーでも全国の発注者にリーチできる環境が整いました。この変化をチャンスと捉え、積極的にデジタルチャネルを活用しましょう。
機能性食品・クリーンビューティの成長
消費者の健康意識と環境意識の高まりを受けて、機能性食品とクリーンビューティの市場が急成長しています。
食品OEMのトレンド:機能性食品
- 機能性表示食品:届出数が年々増加。「脂肪の吸収を抑える」「睡眠の質を向上」など
- プロテイン食品:プロテインバー、プロテインドリンクの需要が引き続き拡大
- 腸活・発酵食品:プロバイオティクス、発酵飲料への注目
- プラントベース:植物性代替肉、植物性ミルクの商品開発案件が増加
化粧品OEMのトレンド:クリーンビューティ
- ナチュラル・オーガニック:天然由来成分100%、オーガニック認証取得商品
- ヴィーガンコスメ:動物由来成分不使用、動物実験フリー
- サステナブルパッケージ:リフィル対応、脱プラスチック容器
- パーソナライズ:個人の肌質に合わせたカスタムスキンケア
これらの成長分野に対応できるメーカーは、高い付加価値と差別化を実現できます。原材料の知識、製造技術、認証取得で先行投資し、市場ニーズに応える準備をしておきましょう。
人手不足とDX(デジタルトランスフォーメーション)
製造業全体で深刻化する人手不足は、OEMメーカーにとっても最大の経営課題の一つです。この課題を解決する鍵がDX(デジタルトランスフォーメーション)です。
人手不足の影響
- 熟練工の退職による技術承継の課題
- 製造現場の人員不足による生産能力の制約
- 営業・事務部門の人手不足による機会損失
- 人件費の上昇による収益圧迫
DXによる解決策
- 製造現場の自動化:ロボットやIoTセンサーの導入による省人化
- 品質管理のデジタル化:AIによる外観検査、デジタル記録によるペーパーレス化
- 営業DX:CRMツール、オンライン商談、Webマーケティングの活用
- 受発注のデジタル化:FAXや電話からオンライン受発注システムへの移行
- ナレッジ管理:熟練工の技術やノウハウをデジタルで記録・共有
DXは大がかりなシステム導入だけを意味するものではありません。紙の帳票をスプレッドシートに変えるだけでも立派なDXです。身近なところから小さく始め、効果を実感しながら段階的に進めましょう。
経済産業省のIT導入補助金やものづくり補助金も活用すれば、DX投資の負担を大幅に軽減できます。
今日からできるアクション
この記事の内容を踏まえて、まず取り組むべきアクションをまとめました。
- 1D2Cブランドからの問い合わせに対応できるよう、小ロット対応の最低ラインを確認・整理する
- 2自社の製造工程でサステナビリティに関連する取り組み(廃棄物削減、省エネ等)を棚卸しする
- 3OEM JAPANなどのデジタルマッチングサイトのプロフィールを最新情報に更新する
よくある質問
- Q. D2C案件にどう対応すべきですか?
- 小ロット対応体制の整備、オンラインコミュニケーション体制の構築、短納期対応力の強化が重要です。D2Cブランドはスピード感を重視するため、見積から納品までのリードタイムを短縮し、デジタルでのやり取りに慣れることが求められます。成長途上のブランドも多いため、小ロットの初回取引を丁寧に対応し、信頼を築くことが大切です。
- Q. サステナビリティ対応のコストは回収できますか?
- 短期的にはコスト増要因ですが、中長期的には差別化と新規案件獲得で回収可能です。特にサステナビリティ対応を求める大手企業やグローバルブランドとの取引では、環境対応がなければそもそも商談の土俵に上がれないケースが増えています。また、省エネ投資は光熱費削減という直接的なリターンもあります。
- Q. デジタル投資の優先順位は?
- 即効性が高い順に、(1)Webサイトの改善とマッチングサービスへの掲載、(2)CRMやスプレッドシートによる顧客管理、(3)オンライン商談環境の整備、(4)受発注のデジタル化、(5)製造現場のIoT・自動化です。まずは営業面のデジタル化で売上を確保し、その投資回収後に製造DXに着手するのが現実的です。