OEM JAPAN

植物性タンパク質原料ガイド|大豆・えんどう豆・小麦グルテン

公開日: 2026-02-21

植物性タンパク質市場の動向

代替肉、プラントベースミルク、植物性プロテイン——植物性タンパク質市場は世界的に急成長しています。環境意識の高まりとフレキシタリアン(柔軟な菜食主義)人口の増加を背景に、OEM製造での参入チャンスが広がっています。

植物性タンパク質市場は、健康意識の高まり、環境負荷への配慮、動物福祉の観点から世界的に急成長しており、OEM製造においても新たな事業機会を生み出しています。

グローバル市場の成長

世界の植物性タンパク質市場は2025年時点で約180億米ドルと推定され、2030年までに300億米ドルに達すると予測されています(年平均成長率:約10〜12%)。成長のドライバーは、代替肉(プラントベースミート)、植物性ミルク(オーツミルク、アーモンドミルク)、プロテインサプリメントの3カテゴリーです。特に代替肉はBeyond Meat、Impossible Foodsの台頭以降、大手食品メーカーも参入し競争が激化しています。

日本市場のトレンド

日本の植物性タンパク質市場は欧米と比較して発展途上ですが、年率15〜20%の成長を見せています。2020年以降、コンビニ各社が大豆ミートのハンバーガーやナゲットを発売し、スーパーの精肉コーナーに植物肉が並ぶようになりました。日本市場の特徴として、大豆を使った伝統食品(豆腐、納豆、味噌、醤油)の文化があり、大豆タンパク質への受容性が高い点があげられます。一方で「代替肉」という概念への抵抗感も一部にあり、「大豆ミート」「プラントベース」など日本市場に合った訴求方法が重要です。

フレキシタリアン需要

完全な菜食主義(ヴィーガン)ではなく、意識的に肉の消費を減らす「フレキシタリアン」層が市場成長の主要ドライバーです。日本でも健康診断で生活習慣病リスクを指摘された層や、SDGsに関心のある若年層を中心にフレキシタリアンが増加しています。この層は「100%植物性」にこだわるのではなく、「おいしければ植物性を選ぶ」という実用的な消費行動を取るため、味と食感の完成度が製品の成否を分けます。

SDGsと環境負荷の文脈

食肉生産は温室効果ガス排出量の約14.5%を占め(FAO推計)、植物性タンパク質への転換は環境負荷の大幅な低減につながります。牛肉1kgの生産に必要な温室効果ガスは約27kg-CO₂eqであるのに対し、大豆タンパク質1kgの生産では約2kg-CO₂eqと、約1/13に抑えられます。水使用量も牛肉の約1/6です。企業のESG経営・SDGs目標達成の文脈で、植物性タンパク質を使用した製品開発への関心が高まっており、BtoB向けの社食・給食用途でのOEM需要も拡大しています。

OEM製造の事業機会

  • 代替肉製品:ハンバーグ、ソーセージ、ミートボール、唐揚げ、焼肉用スライス
  • プロテイン飲料・パウダー:プラントベースプロテインシェイク、スムージーベース
  • 乳代替製品:豆乳、オーツミルク、アーモンドミルク、植物性ヨーグルト
  • プロテインバー・スナック:高タンパク質菓子、プロテインクッキー
  • 業務用食材:社食・給食向け大豆ミート、冷凍食品向け植物性具材

大豆タンパク質の種類と特性

大豆は植物性タンパク質の中で最も歴史が長く、技術的に成熟した原料です。タンパク質含有率・機能特性・コストのバランスに優れ、OEM製造で最も多く採用されています。大豆タンパク質は精製度によって3つのグレードに分類されます。

SPI(Soy Protein Isolate:大豆たんぱく質分離物)

タンパク質含有率90%以上の最高純度グレードです。脱脂大豆からアルカリ抽出→酸沈殿→中和→スプレードライの工程で製造されます。食物繊維や糖質が大幅に除去されているため、大豆特有の風味(beany flavor)が最も少なく、プロテインドリンク、プロテインバー、乳化型ソーセージなど風味と食感を重視する製品に適しています。乳化性・ゲル化性・保水性に優れ、食肉製品の増量剤としても使用されます。価格は1kgあたり800〜1,500円程度です。

SPC(Soy Protein Concentrate:大豆たんぱく質濃縮物)

タンパク質含有率70%以上で、脱脂大豆からアルコール洗浄または酸洗浄で可溶性糖質とガスの原因となるオリゴ糖(ラフィノース、スタキオース)を除去して製造されます。SPIよりコストが低く(1kgあたり500〜900円程度)、代替肉の原料として大量に使用されます。テクスチャライジング加工(後述)の原料としても最適で、TVP(組織化大豆タンパク)の主原料です。

脱脂大豆粉(Defatted Soy Flour)

タンパク質含有率50%以上で、大豆から油脂を抽出した後の残渣を粉末化したものです。最もコストが低く(1kgあたり200〜400円程度)、パン、麺類、クッキーなどの栄養強化に使用されます。大豆風味が強いため、風味が気になる製品では使用量に制限があります。

大豆タンパク質の機能特性

大豆タンパク質は優れた分散性・乳化性・ゲル化性を持ち、食品加工において多機能な原料です。

乳化性はSPIが最も高く、油脂と水を安定したエマルションにする能力があります。ソーセージやハンバーグの脂肪保持に利用され、使用量は製品重量の2〜5%が一般的です。ゲル化性は加熱により発現し、70〜90℃での加熱でタンパク質が変性してゲルネットワークを形成します。この特性は代替肉の弾力ある食感の再現に不可欠です。保水性は重量比で2〜4倍の水を保持でき、食肉製品のジューシー感向上や歩留まり改善に貢献します。

大豆特有の風味(Beany Flavor)対策

大豆タンパク質の最大の課題は、リポキシゲナーゼ酵素に起因する豆臭さ(beany flavor)です。この風味はヘキサナール、ヘキサノールなどの揮発性化合物に由来し、特にプロテインドリンクで消費者が敏感に感じ取ります。対策として以下のアプローチがあります。

  • 酵素失活処理:原料段階での加熱処理(スチームインジェクション、90℃以上)でリポキシゲナーゼを失活させる
  • 高度精製:SPIの製造工程で風味成分を効果的に除去する。フレーバーフリーSPIと呼ばれる高品質グレードがある
  • 発酵処理:乳酸菌や酵母で発酵させることで風味を改善する技術が開発されている
  • フレーバーマスキング:チョコレート、バニラ、フルーツフレーバーで豆臭さを覆い隠す最も一般的な方法

アレルゲン表示

大豆は特定原材料に準ずるもの(推奨表示)に該当しますが、2025年の食品表示基準改正で義務表示への移行が検討されています。大豆アレルギーの患者は日本国内で約0.5%と推定され、アレルゲンフリーを求める市場ニーズに対してはえんどう豆タンパク質が代替選択肢となります。

えんどう豆タンパク質

えんどう豆タンパク質(Pea Protein)は、大豆に次ぐ植物性タンパク質原料として急速に市場シェアを拡大しています。最大の強みは主要アレルゲンに該当しないことで、大豆・乳・小麦・卵のいずれにもアレルギーを持つ消費者でも安心して摂取できます。

PPI(Pea Protein Isolate)の製造と品質

えんどう豆タンパク質は主に黄えんどう豆(Yellow Pea, Pisum sativum)を原料とし、アルカリ抽出→酸沈殿→中和→スプレードライの工程で製造されます。タンパク質含有率は80〜85%(SPIの90%以上より低め)で、製造工程は大豆タンパク質と類似しています。世界の主要サプライヤーとしてRoquette(フランス、Nutralys®ブランド)、Cosucra(ベルギー、Pisane®ブランド)、Ingredion(米国、VITESSENCE®ブランド)、双日(日本、カナダ産PPIの輸入代理店)があります。

アレルゲンフリーの強み

えんどう豆は日本の食品表示法で定める特定原材料7品目にも特定原材料に準ずるもの21品目にも該当しないため、アレルゲン表示が不要です。これは大豆(特定原材料に準ずるもの)、小麦(特定原材料)、乳(特定原材料)に対してアレルギーを持つ消費者向けの製品開発において決定的な優位性です。学校給食、病院食、保育園おやつなど、アレルゲン管理が厳格な業務用食品でのニーズが高まっています。

アミノ酸スコアと栄養設計

えんどう豆タンパク質のアミノ酸スコアは約80〜85で、大豆タンパク質(アミノ酸スコア100)よりも低くなっています。制限アミノ酸はメチオニン(含硫アミノ酸)で、このためプロテイン製品として単独使用する場合は栄養価の面でやや劣ります。この課題を解決する最も一般的なアプローチが、ライスプロテインとのブレンドです。米タンパク質はメチオニンが豊富でリジンが制限アミノ酸であるため、えんどう豆とは相補的な関係にあり、7:3〜6:4(えんどう豆:米)の配合比でアミノ酸スコア100に近づけることが可能です。このブレンドは「植物性コンプリートプロテイン」として欧米市場で広く受け入れられています。

色と風味の課題

えんどう豆タンパク質は黄色〜薄緑色の色調を持ち、白色が求められる製品(プロテインミルク、ホワイトスムージー等)では外観上の課題となります。風味は大豆ほど強くないものの、特有の「グリーンノート」「土っぽさ」(earthy flavor)があり、特に高配合(15%以上)のプロテインドリンクでは風味設計が重要です。対策として以下が有効です。

  • 酵素処理PPI:プロテアーゼ処理で苦味ペプチドを分解した改良グレード。Roquette社のNutralys® S85Fなどが代表的
  • フレーバーマスキング:チョコレート、ベリー系フレーバーが最も効果的。バニラフレーバーは相性がやや難しい
  • 発酵処理:乳酸菌発酵によりグリーンノートを低減し、クリーミーな風味を付与する技術
  • 物理的処理:スチーム処理や超臨界CO₂抽出で風味成分を除去するプロセスが研究段階にある

コストと供給安定性

PPIの価格は1kgあたり1,200〜2,500円で、SPIの約1.5〜2倍です。ただし、えんどう豆の栽培面積は世界的に拡大傾向にあり(カナダ、フランス、中国が主産地)、今後のスケールメリットで価格低下が見込まれています。OEM発注時には、原料の産地証明、Non-GMO証明(えんどう豆は遺伝子組み換え品種が存在しないため天然Non-GMO)、重金属・残留農薬の分析証明書を確認しましょう。

OEM製造パートナーをお探しですか?

OEM JAPANでは、食品・化粧品のOEMメーカーを無料で検索・比較できます。まずはお気軽にご相談ください。

その他の植物性タンパク源

大豆とえんどう豆以外にも、多様な植物性タンパク質原料が食品OEMで活用されています。それぞれの特性を理解し、用途に応じた最適な原料選択とブレンド設計を行うことが、差別化された製品開発の鍵です。

小麦グルテン(Vital Wheat Gluten)

小麦粉から水洗いによってでんぷんを除去した後に残る粘弾性のあるタンパク質で、含有率は75〜80%です。グルテニンとグリアジンの2種のタンパク質が絡み合い、独特の弾力と伸展性を持つ点が他の植物性タンパク質と根本的に異なります。代替肉(セイタン:精進料理の「お麩」に相当)の主原料として最も長い歴史を持ち、加水・こね・加熱によって肉様の繊維質食感を再現できます。コストは1kgあたり300〜600円と植物性タンパク質の中で最も安価ですが、小麦は特定原材料(義務表示)であり、グルテンフリー需要には対応できません。セリアック病・小麦アレルギーの消費者には禁忌です。

ライスプロテイン(米タンパク質)

米ぬかや砕米から酵素分解またはアルカリ抽出で得られる植物性タンパク質で、含有率は80〜90%です。低アレルゲン性(特定原材料にも準ずるものにも該当しない)と淡白な風味が最大の強みで、他のタンパク質との混合に適しています。前述の通り、えんどう豆タンパク質との相補的なアミノ酸プロファイルが特徴で、ブレンドプロテインの重要な構成要素です。ヒスチジンとBCAA(分岐鎖アミノ酸)が比較的豊富で、スポーツ向けプロテインにも適しています。価格は1kgあたり1,500〜3,000円と比較的高めです。

ヘンププロテイン(麻の実タンパク質)

ヘンプシード(麻の実)を脱脂・粉砕して得られるタンパク質で、含有率は50〜70%です。エデスチン(グロブリンタンパク質)が主成分で、消化吸収性に優れています。オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)、オメガ6脂肪酸(リノール酸)を含む「スーパーフード」イメージが強く、ナチュラル・オーガニック市場で人気です。ナッツに似た風味でスムージーやプロテインバーに使用されます。日本では大麻取締法の関係で流通にやや制約があり、THC(テトラヒドロカンナビノール)不検出の証明が必要です。価格は1kgあたり2,000〜4,000円です。

オーツプロテイン(オート麦タンパク質)

オーツミルクの市場拡大に伴い注目されている原料です。タンパク質含有率は55〜65%と他原料より低めですが、β-グルカン(水溶性食物繊維)を含む点が栄養学的な強みです。食感が滑らかで飲料・ヨーグルト代替品に適しています。小麦とのコンタミネーション(製造ラインの共有)に注意が必要で、「グルテンフリーオーツ」として販売するには専用ラインでの製造と認証が必要です。

アミノ酸組成とコストの比較

  • 大豆(SPI):アミノ酸スコア100、PDCAAS 1.0、800〜1,500円/kg — 最もバランスが良い
  • えんどう豆(PPI):アミノ酸スコア80〜85、PDCAAS 0.89、1,200〜2,500円/kg — リジン豊富・メチオニン不足
  • 小麦グルテン:アミノ酸スコア40〜50、PDCAAS 0.25、300〜600円/kg — リジン大幅不足・食感は最優秀
  • ライスプロテイン:アミノ酸スコア65〜70、PDCAAS 0.50、1,500〜3,000円/kg — メチオニン豊富・リジン不足
  • ヘンププロテイン:アミノ酸スコア60〜65、PDCAAS 0.46、2,000〜4,000円/kg — 必須脂肪酸を含む付加価値

加工適性と配合設計

植物性タンパク質原料を「おいしい食品」に仕上げるためには、テクスチャライジング(組織化)技術と緻密な配合設計が不可欠です。特に代替肉製品では、動物肉の食感・風味・外観をどこまで再現できるかが市場での成功を左右します。

テクスチャライジング技術(TVP:Textured Vegetable Protein)

TVPは植物性タンパク質粉末をエクストルーダー(押出成形機)で高温・高圧処理し、繊維状の構造を持つ組織化タンパクに加工したものです。この工程により、パサパサした粉末状のタンパク質が肉のような繊維質の食感を持つ素材に変わります。

エクストルーダー加工には2種類あります。低水分エクストルーダー(水分含量20〜40%)は、パフ状に膨化したドライTVPを製造します。乾燥状態で長期保存が可能で、調理時に水や調味液で戻して使用します。ミンチ肉の代替、カップ麺の具材、ふりかけなどに使用されます。処理温度は150〜180℃、滞留時間は30〜60秒です。

高水分エクストルーダー(水分含量50〜70%)は、より高度な繊維構造を形成し、スライス肉やチキンブレストに近い食感を再現できます。冷却ダイ(冷却ゾーン付きの押出口金)を使用することで、溶融タンパク質が冷却されながら配向し、一方向に整列した繊維状構造が生まれます。近年の代替肉製品の品質向上は、この高水分エクストルーダー技術の進歩によるところが大きいです。処理温度は130〜160℃、冷却ダイ出口温度は80℃以下です。

食感設計(肉様食感の再現)

代替肉の食感を動物肉に近づけるには、タンパク質の選択だけでなく、油脂・結着剤・食物繊維の配合が重要です。

  • 油脂設計:ココナッツオイル(固体脂、融点約24℃)を使用すると、口の中で溶ける「肉汁感」を再現できます。カカオバター、シアバター、パーム油も固体脂の選択肢です。配合量は5〜15%
  • 結着剤:メチルセルロース(MC)は加熱時にゲル化する特異な性質(熱ゲル化)を持ち、パティの形状保持と肉らしい「噛み応え」の付与に使用されます。使用量は0.5〜2.0%
  • 食物繊維:ビートファイバー、竹ファイバー、セルロースファイバーで保水性を高め、ジューシーな食感を実現します。使用量は2〜5%

着色・着香

代替肉の外観を動物肉に近づけるため、ビーツジュースパウダーやカラメル色素で赤みのある肉色を再現します。加熱前は生肉のような赤色、加熱後は焼き肉のような褐色に変化する設計が理想で、ビーツの赤色色素(ベタニン)は加熱で褐変するため自然な色変化が得られます。香りはメイラード反応フレーバー(酵母エキス、還元糖を含む調味料を高温処理して肉様の香りを生成)や燻液で肉らしい風味を付与します。

栄養強化

植物性タンパク質製品は動物性食品と比較してビタミンB12、ヘム鉄、亜鉛が不足しがちです。栄養面での同等性を訴求するには、これらの栄養素の添加が推奨されます。ビタミンB12はシアノコバラミンまたはメチルコバラミンを添加し、鉄はヘム鉄サプリメント(植物由来のレグヘモグロビンを含む)または非ヘム鉄(ピロリン酸第二鉄等)を添加します。

OEM委託時の確認事項

植物性タンパク質製品のOEM委託では、通常の食品OEMに加えて原料調達・認証・アレルゲン管理に特有の確認事項があります。製品企画段階からメーカーと綿密に協議し、トラブルを未然に防ぐことが重要です。

原料調達の安定性

植物性タンパク質原料は国際商品であり、原料価格は為替レート、産地の天候、世界的な需給バランスに左右されます。大豆タンパク質の主要産地は米国、ブラジル、中国で、えんどう豆タンパク質はカナダ、フランス、中国が主産地です。OEM契約時には原料価格の変動条項(スライド条項)を設けるか、一定期間の固定価格契約とするかを取り決めておくことが重要です。年間の発注計画を共有し、メーカー側の原料調達リードタイム(通常2〜3ヶ月)を考慮した発注サイクルを構築しましょう。

Non-GMO認証

大豆は世界の生産量の約80%が遺伝子組み換え(GM)品種であり、Non-GMOの訴求は植物性タンパク質製品の重要な差別化要素です。日本の食品表示法では、遺伝子組み換え農作物が原材料の上位3位以内かつ重量比5%以上の場合にGM表示が義務付けられていますが、消費者意識を考慮して「遺伝子組み換えでない」の任意表示を付けるケースが一般的です。Non-GMO大豆は北米産(IP: Identity Preserved管理品)が主流で、通常のGM大豆の1.5〜2倍のプレミアムがつきます。OEMメーカーにはIP管理体制(分別管理の記録、サプライチェーン全体のトレーサビリティ)の確認が必要です。なお、えんどう豆は商業的なGM品種が存在しないため、天然でNon-GMOです。

有機認証(有機JAS)

有機JAS認証の植物性タンパク質製品を製造するには、原料・加工工程・保管の全段階で有機JAS基準に適合する必要があります。有機認証を取得したOEMメーカーは限られるため、認証の有無が委託先選定の重要な判断基準となります。有機JAS認証のSPIやPPIは通常品の2〜3倍のコストで、供給量も限定的です。「有機」「オーガニック」の表示には有機JASマークの表示が法律上義務付けられている点に注意してください。

コンタミネーション管理(アレルゲン)

植物性タンパク質の製造ラインでは、複数のタンパク質原料が同一ラインで処理されることが一般的であり、アレルゲンのコンタミネーション(交差汚染)リスクが高くなります。えんどう豆タンパク質のアレルゲンフリーを訴求する製品で、同一ラインで大豆タンパク質も処理している場合、「大豆を含む製品と共通の設備で製造しています」の注意表示が必要になります。OEMメーカーの製造ラインの構成、洗浄バリデーション(アレルゲン残存試験:ELISA法で定量的に確認)の実施状況を確認しましょう。

  • 専用ライン:アレルゲンフリーの植物性タンパク質専用ラインがあるか
  • 洗浄手順:品種切り替え時のCIP(定置洗浄)手順とバリデーション結果の記録
  • 検査体制:ELISA法によるアレルゲン残存試験の定期実施(許容基準:通常10ppm以下)

コスト目安(植物性タンパク質製品OEM)

製品タイプ別の概算コストを以下に示します。実際の見積りは配合・ロットサイズ・包装仕様によって大きく変動します。

  • プロテインパウダー(1kg袋):原料費500〜1,500円 + 加工費200〜500円 + 包材費100〜300円 = 合計800〜2,300円/袋(小売価格3,000〜6,000円想定)
  • 代替肉パティ(100g×10個パック):原料費50〜120円/個 + 加工費30〜80円/個 + 包材費20〜50円/個 = 合計100〜250円/個(小売価格300〜500円/個想定)
  • プロテインバー(40g個包装):原料費30〜80円/本 + 加工費20〜50円/本 + 包材費10〜30円/本 = 合計60〜160円/本(小売価格200〜400円/本想定)
  • 最小ロット:プロテインパウダーは原料100kg〜(製品約80〜90袋)、代替肉は原料200kg〜(製品約1,500〜2,000個)が一般的な最小ロット

初回の試作費用は5〜20万円程度で、配合の複雑さや試作回数によって変動します。テクスチャライジング加工を伴う代替肉製品は、エクストルーダーの立ち上げ費用が加算されるため試作費が高めになる傾向があります。

まとめ:植物性タンパク質OEMを成功させるために

植物性タンパク質市場は成長が続いており、OEM製造による参入は有力な事業機会です。最後に、製品タイプ別の推奨原料とメーカー選定のポイントを整理します。

製品タイプ別の推奨原料

  • プロテインパウダー(一般向け):えんどう豆+ライスのブレンド(アレルゲンフリー)——主要アレルゲンに該当せず、アミノ酸スコアも相補的に補完できます
  • プロテインパウダー(コスト重視):SPI(大豆タンパク分離物)——タンパク質含有率90%以上でアミノ酸スコア100、最もコストパフォーマンスに優れます
  • 代替肉バーガー・ソーセージ:SPC(TVP)+ 小麦グルテン——テクスチャライジング加工で肉様の繊維質食感を再現でき、コストも抑えられます
  • アレルゲンフリー商品:えんどう豆 + ライスプロテイン——特定原材料にも準ずるものにも該当せず、学校給食・病院食などアレルゲン管理が厳格な用途に最適です
  • プレミアム・オーガニック市場:有機PPI またはヘンププロテイン——ナチュラル・オーガニック志向の消費者に訴求力があります

OEMメーカーに確認すべきポイント

  • エクストルーダー等の専門設備の保有状況:代替肉製品ではテクスチャライジング加工が不可欠であり、高水分エクストルーダーの有無は品質を大きく左右します
  • Non-GMO・有機JAS認証への対応:IP管理体制や有機認証の取得状況を確認しましょう
  • アレルゲンのコンタミネーション管理体制:専用ラインの有無、洗浄バリデーション(ELISA法による定量確認)の実施状況が重要です
  • 風味改良(beany flavor対策)の技術力:酵素処理、発酵処理、フレーバーマスキングなどの風味改善技術があるかを確認しましょう
  • 最小ロットと原料調達の安定性:原料価格のスライド条項や調達リードタイムについても事前に確認しておくことが重要です

当サイトでは、植物性タンパク質製品の受託製造に対応したOEMメーカーを検索・比較できます。

よくある質問

Q. 植物性タンパク質原料の主な種類と特徴は何ですか?
大豆タンパク質(SPI/SPC/脱脂大豆粉)は最も技術的に成熟し、乳化性・ゲル化性に優れた原料です。えんどう豆タンパク質(PPI)は主要アレルゲンに該当せず、アレルゲンフリー製品に強みがあります。小麦グルテンは繊維形成力に優れ代替肉の食感向上に有効ですが、グルテンフリー需要への対応が課題です。ライスプロテインは低アレルゲン性が特徴です。
Q. 代替肉(プラントベースミート)のOEM製造にはどのような設備が必要ですか?
代替肉の食感再現にはテクスチャライジング加工(エクストルージョン)が不可欠です。特にステーキやチキンフィレのような塊肉の食感には、冷却ダイ付きの二軸押出機による高水分押出成形(HMMA)が必要です。HMMA対応設備を持つOEMメーカーはまだ限られているため、冷却ダイの設計ノウハウを持つメーカーの選定が差別化のポイントです。
Q. 大豆タンパク質の「豆臭さ(beany flavor)」はどう対策しますか?
主なアプローチとして、原料段階での加熱処理(90℃以上でリポキシゲナーゼ酵素を失活)、高度精製されたフレーバーフリーSPIの使用、乳酸菌や酵母による発酵処理、チョコレート・バニラ・フルーツ等のフレーバーマスキングがあります。プロテインドリンクでは消費者が特に敏感に感じるため、風味改良技術を持つOEMメーカーの選定が重要です。
Q. 植物性タンパク質製品のOEMで確認すべき認証・管理体制は何ですか?
Non-GMO認証(IP管理体制:非遺伝子組み換え原料の分別管理)、有機JAS認証、アレルゲンのコンタミネーション管理体制(専用ライン有無、ELISA法による定量確認)が重要です。また、大豆は特定原材料に準ずるもの、小麦は特定原材料に該当するため、アレルゲン管理の厳格さが製品の安全性と市場対応力を左右します。

OEM JAPANでの対応メーカー

この分野に関連するOEMメーカーがプラットフォームに掲載されています。

合計 115社 が対応可能小ロット対応 14社

関連するガイド記事

OEM製造パートナーをお探しですか?

OEM JAPANでは、食品・化粧品のOEMメーカーを無料で検索・比較できます。小ロット対応メーカーも多数掲載中。