OEM関連の法改正・制度変更まとめ
食品OEM・化粧品OEMの事業者が把握しておくべき法改正・制度変更をまとめています。施行日や経過措置期限を確認し、対応計画の参考にしてください。
対応が必要な規制(経過措置中・今後施行)
化粧品容器のプラスチック設計認定基準
プラスチック資源循環法に基づき、シャンプー・コンディショナー・ボディソープ等の容器について、プラスチック使用量削減・再生材料比率の設計認定基準が公表。2026年1月施行。
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- 対象製品:シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ハンドソープの容器(家庭用化粧品容器)。
- 基準内容:単位容量あたりのプラスチック使用量の削減、再生材料の最低比率(詰め替え用ボトルで60%以上など)、バイオマスプラスチックの使用を含む。
- 任意認定制度:基準を満たした製品は公的な認定を受けることができますが、強制ではありません。
OEM事業者への影響
ヘアケア・ボディケアのOEM製品を企画する事業者は、容器の設計段階でプラスチック削減・再生材料の使用を検討すると、認定取得によるブランド価値向上が期待できます。将来的な規制強化を見据え、サステナブルな容器設計を進めることが推奨されます。
出典: 経済産業省 プラスチック設計認定
機能性表示食品制度の大幅改正(紅麹問題を受けた規制強化)
小林製薬の紅麹サプリメント健康被害事件を受け、健康被害情報の報告義務化、サプリメント形状製品のGMP義務化、表示の見直しが実施。
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- 健康被害情報の報告義務化:2024年9月1日から即時施行。重篤な健康被害情報を消費者庁に報告する義務が課されました。
- サプリメント形状のGMP義務化:錠剤・カプセル等のサプリメント形状の製品について、GMP(適正製造規範)に基づく製造管理が義務化。経過措置は2026年9月1日まで。対象は製造工場および一次包装施設。
- 表示の見直し:消費者の誤認を防ぐための表示改善が求められ、経過措置は2026年9月1日まで。
- 届出審査期間の延長:2025年4月1日より、届出審査期間が60暦日から60営業日(新規性の高い成分は120営業日)に変更。
OEM事業者への影響
サプリメントOEMを委託する事業者は、OEMメーカーがGMP基準を満たしているか確認が必須です。2026年9月1日までにGMP対応が完了していないメーカーでは製造できなくなります。
出典: 消費者庁 機能性表示食品制度
食品表示基準の大幅改正(栄養強化目的の添加物表示義務化ほか)
栄養強化目的で使用される食品添加物の表示免除が撤廃され、すべての添加物の表示が義務化。栄養素等表示基準値の改定、栄養成分の測定方法の見直しも実施。
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- 栄養強化目的の添加物表示義務化:従来、栄養強化のみを目的とする添加物は表示免除でしたが、この免除が撤廃されました。経過措置期間は2030年3月31日まで。
- 栄養素等表示基準値の改定:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に合わせて改定。経過措置は2028年3月31日まで。
- 栄養成分の測定方法・許容差の改定:食物繊維やビタミンB群などの測定方法と許容差範囲が見直し。経過措置は2030年3月31日まで。
- 調理冷凍食品の表示規定:2026年4月1日に施行。
OEM事業者への影響
OEM委託者・製造者ともに、製品ラベルの更新が必要です。特に栄養強化目的の添加物(ビタミン類、ミネラル類など)を使用している製品は、経過措置期間内に表示を見直す必要があります。
出典: 消費者庁 食品表示基準改正
施行済みの主な規制
食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度 完全施行
食品に接触する合成樹脂製の器具・容器包装について、ポジティブリストに収載された物質のみ使用可能に。5年間の経過措置が終了し完全施行。
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- ポジティブリストに収載された物質のみ、食品接触材料として使用可能。
- 製造事業者はGMP(適正製造規範)を遵守する義務あり。
- 食品用器具・容器包装の製造事業者は届出が必要。
- サプライチェーン間での情報伝達義務あり。
- 例外:食品への溶出が0.01mg/kg未満の物質、非食品接触層(印刷インキ・接着剤等)は対象外。
OEM事業者への影響
OEM製造で使用するすべての包装資材について、資材メーカーからポジティブリスト適合証明書を取得する必要があります。新しいパッケージを企画する際は、使用する樹脂がリスト収載されているか事前確認が必須です。
出典: 厚生労働省 ポジティブリスト制度
薬機法改正(2025年改正)
2025年5月に成立・公布された薬機法改正。主に医薬品の品質・安全性強化、安定供給体制の強化が柱。化粧品・医薬部外品への直接的な影響は限定的だが、品質ガバナンス強化の流れが波及。
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2025年5月14日に国会で可決、同月21日に公布された薬機法改正は、主に以下の4本柱で構成されています。
- 医薬品の品質・安全確保の強化
- 安定供給体制の強化
- 創薬環境の整備
- 薬局機能の強化
化粧品・医薬部外品に対する直接的な制度変更は今回の改正では含まれていませんが、医薬品業界全体での品質ガバナンス強化の流れは、化粧品OEM業界にも間接的な影響を及ぼす可能性があります。
OEM事業者への影響
現時点で化粧品OEM事業者に直接的な対応は求められていませんが、品質管理・安全性確保のレベルを引き上げる業界全体のトレンドとして把握しておくことが重要です。
出典: 厚生労働省 薬機法改正
くるみのアレルゲン表示義務化
くるみが特定原材料(表示義務のあるアレルゲン)に追加され、全8品目に。2025年4月1日より完全義務化。
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2023年3月9日の食品表示基準改正により、くるみが「特定原材料」に追加されました。特定原材料は以下の8品目です:えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生。
経過措置期間は2025年3月31日に終了し、2025年4月1日以降に製造・加工・輸入されるすべての食品でくるみの表示が義務となっています。
OEM事業者への影響
くるみを原材料や製造ラインで使用している場合、表示の確認・更新が必要です。コンタミネーション(意図せぬ混入)リスクがある場合も注意喚起表示を検討しましょう。
出典: 消費者庁 アレルゲン表示
化粧品の特記表示に関する通知改正(約40年ぶりの大改正)
化粧品パッケージで特定成分を強調表示する際のルールが約40年ぶりに改正。成分名に加え、配合目的の明示が義務化。
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- 配合目的の開示義務:特定成分を強調表示(特記表示)する際、成分名だけでなく配合目的を明記する必要があります。配合目的は客観的に検証されたデータに基づく必要があります。
- 包括的成分名の例外廃止:「植物エキス」「海藻エキス」等の包括的名称で目的表示を省略できた従来の例外が廃止されました。
- 医薬部外品有効成分と重複する成分(ビタミンA、Eなど)の化粧品への特記表示:(1)有効成分と誤認されないこと、(2)化粧品の効能範囲内であること、(3)客観的裏付けがあること、の3条件を満たせば可能。
- 写真・デザイン・外国語表記:画像やデザイン、英語表記で成分を表現する場合も、成分名と配合目的を明示する義務があります。
OEM事業者への影響
化粧品OEMで製造する製品のパッケージ・広告で、特定の成分を強調して表示している場合、配合目的の記載が適切かを確認する必要があります。特に「○○エキス配合」等の訴求を行っている製品は見直しが必要な場合があります。
化粧品GMP(ISO 22716)の動向
化粧品のGMP規格(ISO 22716)は日本では法的義務ではないが、取引先からの要求や国際取引の拡大に伴い事実上の業界標準として普及が進行中。
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ISO 22716(化粧品GMP)は国際標準化機構が定める化粧品の適正製造規範で、製造・管理・保管・出荷の全工程に関する品質基準を規定しています。
日本国内では法的な義務ではありませんが、以下の理由から取得・準拠するOEMメーカーが増加しています。
- 大手化粧品ブランドからの委託製造で、ISO 22716準拠が取引条件に含まれるケースが増加。
- 海外輸出時にEUやASEAN諸国でGMP証明が求められることがある。
- インバウンド需要拡大に伴う品質証明としての活用。
OEM事業者への影響
OEMメーカー選定時にISO 22716取得の有無を確認することで、品質管理体制を判断する指標になります。海外展開を視野に入れている場合は、ISO 22716取得メーカーを選定することを推奨します。
有機JAS規格の改正(有機農産物・加工食品・畜産物・飼料)
有機JAS規格4区分が改正。きのこ栽培用培地の拡大、有機畜産の規模制限など。2025年1月から有機畜産の新規則が適用。
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- 2024年7月:有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料の4つのJAS規格が改正。
- きのこ栽培用培地の使用可能資材が拡大。
- 2025年1月1日:有機畜産において、新たに導入する動物の頭数は既存有機群の50%までに制限する規定が発効。
- 2025年4月1日:JONA有機基準2025年版が適用開始(2023年版との併用期間あり)。
OEM事業者への影響
有機JAS認証の加工食品をOEM製造する場合、改正後の基準を満たしているか認証機関に確認してください。使用する有機原料の調達先も新基準に準拠しているか確認が必要です。
食品添加物「無添加」「不使用」表示ガイドライン 完全適用
「無添加」「○○不使用」等の添加物に関する表示について、10類型の問題表示パターンが定められ、2年間の経過措置終了後に完全適用。
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消費者庁が2022年3月30日に公表したガイドラインが、2年間の経過措置期間を経て2024年4月から完全適用されています。
「無添加」表示そのものが禁止されるわけではありませんが、消費者に誤認を与える表示は景品表示法違反となり得ます。例えば、もともと使用されない添加物について「不使用」と表示するケースなどが問題視されています。
OEM事業者への影響
OEM製品のパッケージに「無添加」「○○不使用」等の表示がある場合、ガイドラインの10類型に該当しないか確認が必要です。表示は事実に基づき、消費者の誤認を招かない内容にする必要があります。
遺伝子組換え食品の「でない」表示ルール変更
「遺伝子組換えでない」と表示できる要件が厳格化。意図せぬ混入5%以下で表示可能だった従来ルールが変更され、不検出の場合のみ「でない」表示が可能に。
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2023年4月1日施行の改正により、「遺伝子組換えでない」の任意表示は、遺伝子組換え農産物の混入が科学的に「不検出」である場合にのみ使用可能となりました。
従来は意図せぬ混入が5%以下であれば「遺伝子組換えでない」と表示可能でしたが、より厳格な基準に改められています。なお、分別生産流通管理を行い混入率5%以下の場合は、「分別生産流通管理済み」等の表示が可能です。
OEM事業者への影響
大豆・とうもろこし等を使用するOEM製品で「遺伝子組換えでない」の表示を使用している場合、不検出レベルであることの確認が必要です。表示の見直しが必要な場合があります。
プラスチック資源循環促進法の段階的目標
2022年4月施行のプラスチック資源循環法に基づく段階的な目標。2025年:リユース・リサイクル可能な設計、2030年:60%再利用・リサイクル、2035年:100%有効利用。
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- 2025年目標:すべてのプラスチック容器・包装をリユースまたはリサイクル可能な設計にする。
- 2030年目標:プラスチック容器・包装の60%をリユースまたはリサイクル。
- 2035年目標:使用済みプラスチックの100%有効利用。
食品・化粧品の両業界で、パッケージ設計におけるプラスチック削減、再生材料の活用、リフィル(詰め替え)対応が求められる方向です。
OEM事業者への影響
OEM製品のパッケージ企画段階で、リサイクル可能な素材選定やプラスチック使用量の削減を検討することが推奨されます。将来的な規制強化を見据え、環境配慮型パッケージを提案できるOEMメーカーを選定することも重要です。
化粧品広告の課徴金制度
薬機法違反の医薬品・化粧品広告に対する課徴金制度。違反期間中の対象製品売上の4.5%が課徴金として課される。SNSインフルエンサーも対象。
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2021年8月から施行されている課徴金制度は、虚偽・誇大広告に対する経済的制裁措置です。
- 課徴金額:違反期間中(最長3年間)の対象商品売上の4.5%。
- 刑事罰:2年以下の懲役および/または200万円以下の罰金。
- 対象者:広告主、広告代理店、SNSインフルエンサー等、広告に関与するすべての当事者。
2024-2025年に新たな法改正はありませんが、取り締まりの強化が継続しています。特にSNS上での化粧品の効能効果を逸脱した投稿が問題視されています。
OEM事業者への影響
OEM化粧品の販売においてSNSマーケティングを行う場合、化粧品で標榜可能な56の効能効果の範囲を超えた訴求をしていないか、厳密に確認する必要があります。インフルエンサーマーケティングを行う場合は、投稿内容の薬機法チェック体制を構築しましょう。
本ページの情報は各省庁の公開資料をもとに作成しています。正確な情報は各省庁の公式サイトや専門家にご確認ください。最終更新日: 2026年2月20日