EU/欧州の発注者が日本の飲料OEMメーカーを探すときに意識していること
Publicado: 2026-05-21Autor: Equipo Editorial de OEM JAPAN
なぜEUの発注者が日本の飲料メーカーに注目するのか
EU市場では、日本酒・抹茶・煎茶・茶系飲料・本格焼酎・ジャパニーズウイスキー・クラフトジンなど、日本産飲料カテゴリへの関心が継続的に高まっています。背景には2019年2月発効のEU-Japan経済連携協定(EU-JP EPA)があり、同協定では「日本酒」「本格焼酎」「壱岐・球磨・琉球・薩摩」など複数の地理的表示(GI)が相互保護されています。これによりEU市場で日本酒・焼酎を「日本産」として強くアピールできる法的基盤が整備されました。
一方で、EU向け飲料はGeneral Food Law (EC) 178/2002、Food Information to Consumers Regulation (EU) 1169/2011、Spirit Drinks Regulation (EU) 2019/787、ヘルスクレーム規則 (EC) 1924/2006などが複合的にかかります。EUバイヤーは、これらに対応できる日本メーカーを高く評価しています。
EUバイヤーが日本の飲料メーカーに求める観点
EUバイヤーが日本の飲料OEMメーカーを評価する際、特に重視される観点は以下の通りです。
- EU-JP EPAの地理的表示(GI)保護の活用:「日本酒」「本格焼酎」「壱岐」「球磨」「琉球」「薩摩」などのGIをEU市場で正しく訴求できる体制。
- General Food Law (EC) 178/2002への適合:飲料も食品であり、トレーサビリティ・RASFF対応・リコール体制が必須。
- FIC規則 (EU) 1169/2011に基づくラベル要件:栄養成分表示、原材料表示、アレルゲン強調、内容量、賞味期限、原産国の英語表記。
- Spirit Drinks Regulation (EU) 2019/787への適合:蒸留酒(ウイスキー、ジン、焼酎等)のカテゴリ別の規格、表示要件。
- ヘルスクレーム規則 (EC) 1924/2006:機能性訴求のある茶飲料・機能性飲料での表示制約。認可されたヘルスクレームのみ使用可能。
- Novel Food対応:新規原料を含む機能性飲料は2015/2283の認可対象になる可能性。
- 残留農薬MRL(EC 396/2005)への適合:特に茶葉について EU基準は厳格。
- HACCP・FSSC22000等のGFSI認証:EUバイヤーの標準的なサプライヤー要件。
法令・規制で発注者が気にする点
General Food Lawと食品安全体系
Regulation (EC) No 178/2002(General Food Law、EUR-Lex概要)は飲料を含む全食品事業者に適用されます。トレーサビリティ(原料供給先と出荷先の把握)、RASFF対応、リコール体制、EFSAによる科学的助言の受け入れが基本要件です。
FIC規則(EU 1169/2011)と飲料ラベル
EU向け飲料ラベルはFIC規則に基づき、製品名、原材料表示、アレルゲン強調表示、内容量、賞味期限、製造者または輸入者の名称と住所、原産国(必要な場合)、栄養成分表示(100mL当たり)を英語で記載する必要があります。アルコール飲料(アルコール度数1.2%超)は原則として栄養成分表示が免除されますが、エネルギー値の表示は2022年12月以降義務化されました。
Spirit Drinks Regulation(EU 2019/787)
Regulation (EU) 2019/787は蒸留酒の定義・分類・表示・地理的表示の保護を統合した規則です。ウイスキー、ジン、ラム、焼酎等のカテゴリ別の最低アルコール度数、原料、製造法の規格が定められています。日本のジャパニーズウイスキー・本格焼酎のEU市場における表示はこの規則の枠組み内で行います。
EU-JP EPAの地理的表示
2019年2月発効のEU-JP EPAは、日本の「日本酒」「本格焼酎」「壱岐」「球磨」「琉球」「薩摩」「白山」「山梨」「山形」などの酒類GI、および「神戸ビーフ」「夕張メロン」等の農産食品GIをEU域内で相互保護しています。EU市場で「Japanese Sake」「Honkaku Shochu」を表示する場合、日本の国税庁告示「酒類の地理的表示に関する表示基準」への適合が前提となります。
ヘルスクレーム規則(EC 1924/2006)
機能性訴求(「免疫サポート」「腸内環境改善」等)はEU認可制で、認可されたクレームのみ使用可能です。日本の機能性表示食品の根拠データはEUでは流用できません。機能性訴求を伴う茶飲料・機能性飲料はEFSA経由の認可プロセスが必要です。
残留農薬と茶葉
EU MRL(EC 396/2005)は茶葉について特に厳格な基準を持ち、日本基準より厳しい品目が複数あります。茶葉メーカーは EU向けに専用ロットでの試験を実施するのが一般的です。
バイヤーが選定時に確認する書類・認証
EUバイヤーが日本の飲料OEMメーカーに提示を求める主な書類は以下の通りです。
- FSSC22000、BRCGS、IFS、SQF認証書:GFSI承認スキーム。
- HACCP計画書(英語版):飲料の製造プロセスに沿った内容。
- Certificate of Analysis(CoA、英語):ロット単位の品質・微生物・残留農薬試験結果。
- FIC規則準拠の英語ラベル草案:栄養成分表示、アレルゲン、賞味期限、原産国。
- 地理的表示(GI)適合証明:清酒「日本酒」、本格焼酎、産地GI(壱岐・球磨・琉球・薩摩等)の場合、国税庁告示への適合証明。
- Spirit Drinks Regulation適合確認書(蒸留酒):カテゴリ規格への適合。
- EU MRL対応の残留農薬試験結果(茶葉重点):第三者試験機関による分析。
- Novel Food該当性チェック結果(機能性飲料):使用原料のEU市場消費実績。
よくあるバイヤーからの質問
EUバイヤーから日本の飲料OEMメーカーへの代表的な質問は以下の通りです。
- "Can your sake/shochu be labelled with the protected geographical indication under the EU-Japan EPA?":GI適合の根拠書類を提示。
- "Does your spirit comply with the category requirements of Regulation (EU) 2019/787?":Spirit Drinks Regulationのカテゴリ規格適合。
- "Can you provide a label draft compliant with Regulation (EU) 1169/2011, including energy declaration for alcoholic beverages?":FIC規則準拠ラベルとアルコール飲料のエネルギー表示。
- "What pesticide residue tests can you provide against EU MRLs, particularly for green tea?":茶葉の EU MRL対応試験結果。
- "Are health-related claims on this beverage authorised under Regulation (EC) 1924/2006?":機能性訴求の認可状況。
日本メーカーが備えておくべき準備
EUバイヤーからの引き合いに即応するため、日本の飲料OEMメーカーが事前に整備しておくべき項目を整理します。
- GFSI承認認証の取得:FSSC22000、BRCGS、IFS、SQFのいずれか。EU大手小売・専門店の事実上の前提条件。
- HACCP計画の英語版整備:飲料の特性(充填、殺菌、ボトリング)に応じた予防管理を明示。
- FIC規則準拠の英語ラベルテンプレート:栄養成分表示(アルコール飲料はエネルギー値必須)、アレルゲン強調、原産国を含む。
- EU-JP EPA地理的表示の活用準備:清酒・本格焼酎メーカーは、国税庁告示「酒類の地理的表示に関する表示基準」適合の根拠書類を整備。
- Spirit Drinks Regulation対応(蒸留酒):自社製品がどのカテゴリに該当するか、最低アルコール度数等の規格適合を確認。
- EU MRL対応の試験体制(茶葉重点):EU基準の残留農薬を試験できる第三者試験機関を確保。
- ヘルスクレーム認可状況の確認(機能性飲料):使用しようとする訴求がEFSA認可済みかをチェック。
- JETRO・農水省の対EU輸出情報のモニタリング:規制改正を継続確認する社内担当を指定。
Acciones que Puede Tomar Hoy
Basado en este artículo, aquí están los primeros pasos que debería dar.
- 1GFSI承認認証(FSSC22000・BRCGS・IFS・SQF)の取得状況を確認し、未取得の場合は取得計画を作成する
- 2清酒・焼酎メーカーは、国税庁告示「酒類の地理的表示に関する表示基準」と EU-JP EPAのGIリストを社内で照合する
- 3FIC規則準拠の英語ラベル草案を主力製品で作成し、アルコール飲料はエネルギー値表示を含める
- 4茶葉メーカーは EU MRL対応の第三者試験機関を確保し、専用ロットでの試験計画を立てる
- 5機能性訴求のある飲料は、EFSA認可済みヘルスクレームのリスト(https://ec.europa.eu/food/safety/labelling_nutrition/claims/register/public/)を社内で参照可能にする
Preguntas Frecuentes
- Q. 「日本酒」をEU市場で表示できる条件は何ですか?
- EU-JP EPAにより「日本酒(Japanese Sake / Nihonshu)」は地理的表示として保護されており、日本国内で原料米・水・製造工程の要件(国税庁告示)を満たして製造された清酒のみが表示可能です。EU加盟国内で製造された清酒は「日本酒」と表示できません。これは日本産清酒のプレミアム性の重要な根拠です。
- Q. アルコール飲料も栄養成分表示が必要ですか?
- アルコール度数1.2%超の飲料は原則として栄養成分表示が免除されていましたが、業界の自主的取り組みとして2022年12月以降、エネルギー値(kcal)の表示が事実上必須化されています。EU側で順次法制化も進んでおり、エネルギー値表示は実装しておくのが安全です。
- Q. 「ジャパニーズウイスキー」はEUでどう表示できますか?
- EU-JP EPAの地理的表示リストには現時点で「ジャパニーズウイスキー」は含まれていませんが、Spirit Drinks Regulationのカテゴリとしては「whisky」表示が可能です。日本国内では2024年4月から日本洋酒酒造組合の自主基準「ジャパニーズウイスキー表示基準」が施行されており、これに基づく訴求がEU市場でも信頼性の根拠になります。
- Q. 機能性茶で「抗酸化作用」と訴求できますか?
- EUでは抗酸化作用の訴求はヘルスクレーム規則 (EC) 1924/2006でEFSA認可済みの表現のみ使用可能です。緑茶のカテキンを根拠とした抗酸化訴求は2012年にEFSAで否定的科学意見が出ており、原則として使用できません。「polyphenol-rich」のような客観的表現に留める運用が安全です。
- Q. 茶葉のEU MRLが日本基準より厳しいのはなぜですか?
- EUは原則として「設定なし=0.01ppm」のデフォルトルールを採用しており、農薬ごとに個別MRLが設定されていない場合はこの値が適用されます。日本のポジティブリスト制度は「一律基準0.01ppm」を持つものの、設定MRLがある農薬は EUより緩いケースがあるため、EU向けは別途試験が必要です。