EU/欧州の発注者が日本の化粧品OEMメーカーを探すときに意識していること
Diterbitkan: 2026-05-21Penulis: Tim Editorial OEM JAPAN
なぜEUの発注者が日本の化粧品メーカーに注目するのか
EU市場は世界最大の化粧品市場の一つであり、クリーンビューティ・スキンミニマリズム・敏感肌対応カテゴリで日本由来の処方思想への関心が高まっています。欧州委員会「化粧品に関する法令」によれば、EUの化粧品規制は世界で最も厳格な体系の一つとされ、動物実験全面禁止、Responsible Person制度、CPNP通知システムなど、独自の枠組みを持っています。
EUバイヤーが日本のOEMメーカーを評価する際の決定的なポイントは、これらEU独自の規制体系(特にRegulation (EC) No 1223/2009)への理解と協力姿勢です。日本の薬機法・化粧品規制とは異なる構造のため、書類体系・安全性評価・ラベル要件の組み替えが必要であり、これに柔軟に対応できるメーカーが選ばれます。
EUバイヤーが日本の化粧品メーカーに求める観点
EUバイヤーが日本のOEMメーカーを評価する際、特に重視される観点は以下の通りです。
- EU Responsible Person制度の理解:輸入化粧品にはEU域内のResponsible Person(自然人または法人)の指定が必須。日本メーカーは輸入業者または専門のResponsible Personと連携する体制が必要。
- CPNP(Cosmetic Products Notification Portal)通知への協力:EU市場投入前にResponsible PersonがCPNPに通知する必要があり、日本メーカーは処方情報・パッケージ画像等を提供する役割を担う。
- Product Information File(PIF)の整備:Responsible Personが10年間保管する義務を負う製品情報ファイル。日本メーカー側からの基礎情報提供が必須。
- 動物実験全面禁止への適合:2013年3月以降、EUは原料・最終製品双方の動物実験データを用いた製品の販売を全面禁止。日本メーカーも代替試験データへの切り替えが必要。
- 禁止物質・制限物質の遵守:Regulation 1223/2009のAnnex II(禁止)〜VI(紫外線吸収剤)に基づくポジティブ/ネガティブリスト管理。
- アレルゲン表示:香料中のアレルゲン26+成分の表示義務。
- ISO 22716(化粧品GMP)の取得:Regulation 1223/2009 Article 8でGMPに従った製造が要求されており、ISO 22716が事実上の標準。
- ナノマテリアル表示:原料名末尾に「(nano)」表記の義務。
法令・規制で発注者が気にする点
Regulation (EC) No 1223/2009(EU化粧品規則)
EU化粧品市場の根幹をなす規則です。EUR-Lex公式版(Regulation 1223/2009)では、化粧品の安全性、Responsible Personの役割、CPNP通知、ラベル表示、PIF保管、有害事象報告、市場サーベイランスの全体枠組みが規定されています。
Responsible Person(責任者)制度
規則第4条により、EU市場で販売される全ての化粧品には、EU域内に設立されたResponsible Personの指定が義務付けられています。輸入化粧品の場合、原則として輸入業者がResponsible Personとなりますが、書面による委任契約があれば域内の他の自然人/法人を指定することも可能です。Responsible Personは規則の全要件への適合確保、CPNP通知、PIF保管、当局照会への対応、リコール、有害事象報告の責任を負います。
CPNP(Cosmetic Products Notification Portal)
CPNPは欧州委員会が運営する無料のオンライン通知システムです。規則第13条に基づき、Responsible Personは化粧品をEU市場に投入する前に、製品カテゴリ、処方、ナノマテリアル含有、CMR物質含有、Frame Formulation、製品ラベル原本などをCPNPに通知する必要があります。
動物実験全面禁止
EUは2009年に最終製品の動物実験を禁止、2013年に原料の動物実験データを用いた製品の販売を含めて全面禁止としました。日本で使用可能でも、動物実験データのみで安全性を立証している原料はEU市場で使えません。代替試験(OECDテストガイドライン準拠のin vitro試験等)への切り替えが必要です。
禁止物質・制限物質(Annex II〜VI)
規則のAnnexで化粧品に使用できる成分のポジティブ/ネガティブリストが管理されています。Annex II(禁止)、Annex III(制限)、Annex IV(着色料)、Annex V(防腐剤)、Annex VI(紫外線吸収剤)です。日本のポジティブリストとは整合性がない部分があり、配合段階での確認が必須です。
香料アレルゲン表示
規則は香料に含まれる26+のアレルゲン物質を一定濃度以上含む場合、ラベルへの個別表示を義務付けています。2026年以降の改正でアレルゲン表示対象は約80物質まで拡大される見込みで、最新動向の継続確認が必要です。
バイヤーが選定時に確認する書類・認証
EUバイヤーが日本の化粧品OEMメーカーに提示を求める主な書類は以下の通りです。
- ISO 22716認証書:規則第8条のGMP要件を満たす事実上の標準認証。
- Cosmetic Product Safety Report(CPSR、Annex I):規則Annex Iが定めるパートA(安全情報)とパートB(安全性評価)の双方を含む安全性報告書。Responsible Personが保管するが、製造側からの基礎情報提供が必須。
- Product Information File(PIF)構成書類:処方、製造方法、安全性評価、品質試験結果、動物実験不実施宣誓を含む包括的ファイル。
- 全成分リスト(INCI名 + CAS番号):Annex II〜VIへの適合確認用。
- 動物実験不実施宣誓書:原料・最終製品双方について。
- Certificate of Analysis(CoA、英語):ロット単位の品質・微生物試験結果。
- ナノマテリアル含有情報:含有の有無、含有する場合は粒径・形状情報。
- CMR物質含有情報:発がん性・変異原性・生殖毒性物質の含有状況。
よくあるバイヤーからの質問
EUバイヤーから日本の化粧品OEMメーカーへの代表的な質問は以下の通りです。
- "Do you hold ISO 22716 certification, and can you provide the certificate scope?":認証書のPDF、認証範囲、有効期限を即答できる体制。
- "Can you provide a Cosmetic Product Safety Report compliant with Annex I of Regulation 1223/2009?":CPSRの形式・内容項目を熟知している必要がある。
- "Are all ingredients compliant with Annexes II through VI of the Regulation?":全成分のEU適合性チェック結果を提示。
- "Do you have documentation confirming no animal testing was used for the finished product or its ingredients?":原料・最終製品双方の不実施宣誓書。
- "Does the product contain any nanomaterials or CMR substances, and how are they declared?":ナノ・CMR情報を即答。
日本メーカーが備えておくべき準備
EUバイヤーからの引き合いに即応するため、日本の化粧品OEMメーカーが事前に整備しておくべき項目を整理します。
- ISO 22716認証の取得:未取得の場合は最優先で取得。EU市場では事実上の前提条件。
- CPSR(Cosmetic Product Safety Report)テンプレートの整備:Annex I パートA(安全情報:処方、物理化学的特性、微生物品質、不純物、コンテナ適合性、通常使用条件、暴露データ、原料の毒性、最終製品の毒性、消費者使用経験、その他の情報)とパートB(安全性評価結論、ラベル警告、評価者署名)の双方を主力製品から段階的に整備。
- PIF構成書類の整備:処方、製造方法、CPSR、GMP適合証明、動物実験不実施宣誓、効能訴求の根拠を10年保管できる体制。
- 全成分のAnnex適合チェック:Regulation 1223/2009のAnnex II〜VIに対し、自社使用全原料の適合性を社内で文書化。
- 動物実験不実施宣誓の文書化:原料供給者からも同等の宣誓を取得し、サプライチェーン全体で文書化。
- 代替試験データへの切り替え:OECDテストガイドライン準拠のin vitro試験データを段階的に整備。
- Responsible Person候補との関係構築:EU側の輸入業者または専門のResponsible Person代行サービス(特にフランス、ドイツ、ベルギーに拠点を持つ業者)を3社以上比較し、契約候補を確保。
Tindakan yang Dapat Anda Lakukan Hari Ini
Berdasarkan artikel ini, berikut langkah-langkah pertama yang harus Anda ambil.
- 1ISO 22716認証の取得状況を確認し、未取得の場合は取得計画とコスト見積もりを作成する
- 2EUR-Lex(https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2009/1223/oj/eng)でRegulation 1223/2009のAnnex II〜VIを社内ダウンロードし、全使用原料の適合チェックを実施する
- 3主力製品3〜5品目について、CPSRパートA(安全情報)のドラフトを作成する
- 4原料供給者全社から動物実験不実施宣誓書を取得し、サプライチェーン全体で文書化する
- 5EU加盟国(フランス・ドイツ・ベルギー等)のResponsible Person代行サービスを3社以上比較し、契約候補を選定する
Pertanyaan yang Sering Diajukan
- Q. Responsible Personは日本側でも務められますか?
- Responsible PersonはEU域内に設立された自然人または法人である必要があり、日本本社単独では務められません。EU加盟国に子会社や輸入業者パートナーを持つか、専門のResponsible Person代行サービスを利用するのが一般的です。書面による委任契約で正式に指定する必要があります。
- Q. CPNP通知は誰が行いますか?
- Responsible PersonがCPNPに通知する義務を負います。日本メーカーは通知に必要な情報(処方、パッケージ画像、ナノマテリアル・CMR物質の含有情報、Frame Formulationコード等)をResponsible Personに提供する役割です。CPNP通知自体は無料で、システムは欧州委員会が直接運営しています。
- Q. ISO 22716は法的に必須ですか?
- Regulation 1223/2009 Article 8はGMPに準拠した製造を求めていますが、特定の認証取得を明示的に義務付けてはいません。ただし、Article 8では「ISO 22716に従えばGMPに準拠しているとみなす」と整理されており、実質的に唯一の業界標準として機能しています。EUバイヤーは事実上の前提条件として求めてきます。
- Q. 動物実験不実施はどこまで遡って証明する必要がありますか?
- EUは2013年3月11日以降、原料・最終製品の動物実験データを安全性立証に用いることを全面禁止しています。これ以前のデータも、現在の安全性評価に再利用する場合は問題視されます。原料供給者からも継続的に不実施宣誓を取得し、サプライチェーン全体で文書化することが推奨されます。
- Q. EUと英国(UK)の規制は同じですか?
- 英国はBrexit後、独自のUK Cosmetic Products Regulation(UKCR)を運用しており、構造はEUと類似していますが別体系となっています。SCPN(英国版CPNP)への通知が別途必要で、英国向けResponsible Personも英国域内に必要です。EU向け体制をベースに、英国独自の対応を追加する形が実務的です。