米国の発注者が日本の飲料OEMメーカーを探すときに意識していること
Publié : 2026-05-21Auteur : Équipe Éditoriale OEM JAPAN
なぜ米国の発注者が日本の飲料メーカーに注目するのか
米国市場では、抹茶飲料・機能性茶・ノンアルコール飲料・日本酒・クラフトウイスキーなど、日本産飲料カテゴリへの需要が拡大しています。米国農務省海外農業局(USDA FAS)の輸入統計でも、日本産茶葉・清涼飲料・酒類は近年継続的に増加しており、特に健康志向セグメント(抹茶、機能性茶、低カロリー飲料)で顕著です。
一方、米国向け飲料はカテゴリによって主管庁が大きく異なるのが特徴です。清涼飲料・茶・ジュース・ボトル水は連邦食品医薬品局(FDA)の管轄、アルコール飲料は財務省アルコール・タバコ税貿易管理局(TTB)の管轄となります。米国バイヤーは、自社が扱う商品カテゴリに応じてこの違いを正確に理解しているメーカーをパートナーとして選定します。
米国バイヤーが日本の飲料メーカーに求める観点
米国バイヤーが日本の飲料OEMメーカーを評価する際、特に重視される観点は以下の通りです。
- 主管庁(FDA/TTB)の違いを踏まえた対応力:ノンアルはFDA、アルコールはTTBという基本構造を理解し、適切な書類を準備できるか。
- FDA Food Facility Registration(FFR):ノンアル飲料を米国向けに製造する施設は登録必須。
- TTB COLA(Certificate of Label Approval)取得への協力:アルコール飲料は輸入業者がTTBから事前にCOLA取得する必要があり、そのためのラベル草案・処方情報の提供が求められる。
- HACCP for Juice規則への準拠:21 CFR Part 120に基づくジュース類のHACCP義務。
- Nutrition Facts/Serving Sizeの英語化:清涼飲料は21 CFR 101の表示要件、アルコール飲料はTTB独自のServing Facts表示。
- 健康強調表示(Structure/Function Claims)の慎重な扱い:特に機能性茶・ノンアル機能性飲料で、FDAが認める表示範囲の理解。
- 小ロット試作対応:D2C・クラフトブランドの市場テスト用に1パレット〜のスモールバッチ対応。
法令・規制で発注者が気にする点
ノンアル飲料の規制(FDA主管)
清涼飲料・茶・ジュース・ボトル水はFSMAの対象となり、FDA Food Facility Registration、外国供給業者検証プログラム(FSVP)、予防管理の各規則が適用されます。ジュース類については21 CFR Part 120でHACCP義務が独立して規定されており、病原菌5-log低減処理が必須です。ボトル水は21 CFR Part 165で水質基準・微生物基準が定められています。
アルコール飲料の規制(TTB主管)
アルコール飲料はTTBの輸入業者要件ページに整理されているとおり、米国輸入業者はまずBasic Importer's Permitを取得する必要があります。次に各製品ごとにCertificate of Label Approval(COLA)をTTBから取得する必要があり、これがなければ米国に輸入できません。COLAは申請手数料無料で、TTBのCOLAs Onlineから電子申請可能です。日本酒・本格焼酎は「sake」「shochu」として独自の表示要件があり、ウイスキー・ジン等の蒸留酒はさらに処方承認(Formula Approval)が前提となります。
健康強調表示の規制
機能性茶・健康訴求ノンアル飲料については、FDAが認める「Structure/Function Claims」と認可制の「Health Claims」「Qualified Health Claims」を厳密に区別する必要があります。バイヤーは、自社が打ち出したい訴求が法令上どこまで可能かを、メーカー側にも確認することがあります。
カフェイン規制
FDAは天然由来カフェインを清涼飲料に使用する場合、安全性データの提示を求めています。エナジードリンク・カフェイン強化飲料については、FDAがメーカーに直接ガイダンスレターを発出した過去事例があり、慎重な対応が必要です。
アレルゲン表示
FALCPA + FASTER Actにより、9大アレルゲン(牛乳、卵、魚、甲殻類、木の実、ピーナッツ、小麦、大豆、ゴマ)の表示が義務化されています。乳清飲料・大豆飲料などはこの対象です。
バイヤーが選定時に確認する書類・認証
米国バイヤーが日本の飲料OEMメーカーに提示を求める書類は、ノンアル/アルコールでやや異なります。
- FDA Food Facility Registration Number(ノンアル):施設登録番号と更新日。
- HACCP計画書(特にジュース類):21 CFR Part 120準拠の英語版。
- TTB Formula Approval書類(アルコール):処方の事前承認。
- COLA申請に必要なラベル草案(アルコール):表面・背面のフルラベル画像。
- FSSC22000、SQF、BRCGS認証書:GFSI承認スキームによる第三者認証。
- 水質試験報告書(ボトル水・ボトル茶):FDA基準と日本水道法基準の対照表。
- カフェイン含有量分析証明(茶・エナジー系):第三者試験機関による定量分析結果。
- 原産地証明書:「Product of Japan」表示、または「Japanese Sake」「Japanese Whisky」表示の根拠資料。
よくあるバイヤーからの質問
米国バイヤーから日本の飲料OEMメーカーへの代表的な質問は以下の通りです。
- "Is your facility registered with FDA, and if your product contains alcohol, do you have an established COLA process with a US importer?":FFR有無とTTB COLA対応の双方を一括で確認される。
- "For juice products, can you provide a HACCP plan compliant with 21 CFR Part 120 including the 5-log pathogen reduction?":ジュース類のHACCP対応可否。
- "What Structure/Function Claims are supported by your formulation, and what evidence can you provide?":機能性飲料の場合、訴求可能な範囲とエビデンス。
- "Can you provide a Certificate of Analysis for each lot including caffeine content?":茶・機能性飲料のロット試験結果。
- "For sake products, do you have a formulation approval and label that complies with TTB's standards of identity?":日本酒の規格・表示要件への適合。
日本メーカーが備えておくべき準備
米国バイヤーからの引き合いに即応するため、日本の飲料OEMメーカーが事前に整備しておくべき項目を整理します。
- FDA Food Facility Registrationの完了(ノンアル飲料を製造する場合):FDA Industry Systemsで無料登録。2年ごとの更新。
- HACCP計画の英語版整備:ジュース類は21 CFR Part 120準拠、その他もFSMA Preventive Controlsの枠組みに沿った形に。
- TTB COLAサポート体制(アルコール飲料):米国輸入業者がCOLA申請するためのラベル画像(高解像度)、処方書、原料リストを英語で提供できる体制。
- Nutrition Facts/Serving Factsテンプレートの整備:FDA基準(ノンアル)とTTB基準(アルコール)それぞれの表示テンプレート。
- 水質・カフェイン・主要成分の試験体制:第三者試験機関で英語報告書を取得できる体制。
- 9大アレルゲン管理SOPの整備:乳・大豆を含む飲料カテゴリのクロスコンタクト防止策。
- 「Japanese Sake」「Japanese Whisky」表示の根拠資料整備:日本酒造組合中央会・国税庁の地理的表示制度に基づく証明書類。
Actions que Vous Pouvez Prendre Aujourd'hui
Basé sur cet article, voici les premières étapes à suivre.
- 1自社製品をノンアル/アルコールで仕分け、それぞれFDA/TTBどちらの管轄になるか整理する
- 2ノンアル飲料を製造している場合、FDA Industry SystemsでFFR登録状況を確認する
- 3アルコール飲料を扱う場合、米国側のImporter候補と提携可能性を3社以上リストアップする
- 4主力製品のラベル草案(表面・背面)の英語版を高解像度画像で準備する
- 5TTB COLAs Online(https://www.ttbonline.gov/colasonline/)の申請フローを把握し、輸入業者と連携できる書類セットをテンプレ化する
Questions Fréquemment Posées
- Q. ノンアルとアルコールで対応すべき機関が違うのはなぜですか?
- 歴史的経緯により、米国ではアルコール飲料の規制は財務省TTBが、それ以外の飲料はFDAが管轄しています。同じ「飲料」でも書類体系・申請プロセス・ラベル要件が異なるため、メーカー側もカテゴリごとに対応を切り分ける必要があります。
- Q. TTB COLAは日本メーカーが取得するのですか?
- COLAの申請主体は米国側のImporter(輸入業者)またはBottler/Producerです。日本メーカーは輸入業者に対し、ラベル画像、処方書、原料情報、アルコール度数等の必要情報を英語で提供する役割を担います。COLAs Online申請自体に手数料はかかりません。
- Q. 日本酒の表示にどんな制約がありますか?
- TTBはsakeを独自カテゴリとして規定しています。アルコール度数、原料、製造方法、原産地表示について規格があり、米国内でsakeとして販売するためにはこれらに適合する必要があります。地理的表示「日本酒」はEU-JP EPAでも保護されているため、米国向けでも訴求材料になります。
- Q. ジュース類のHACCPは日本のHACCPで代替できますか?
- 21 CFR Part 120のHACCP for Juiceは病原菌5-log低減処理の実装が必須であり、これを日本のHACCP計画でも明示する必要があります。日本のHACCP単体では5-log低減の検証実績が不十分なケースがあるため、米国向けに改めて文書化することが推奨されます。
- Q. 機能性茶で「免疫サポート」と訴求できますか?
- 「免疫サポート」のような表現はFDAでStructure/Function Claimsに該当し、原則として事前認可は不要ですが、根拠データの保持義務があり、また「病気を治療・予防する」とまで踏み込むとHealth Claimsの認可対象になります。バイヤーから訴求可能範囲とエビデンスを問われた際、安全側に倒した文言案を提示できる準備が必要です。