ペットフード・ペットおやつのOEM開発ガイド

公開日: 2026-02-20

ペットフード市場の成長とトレンド

日本のペットフード市場は堅調な成長を続けており、プレミアム化・ナチュラル志向が大きなトレンドとなっています。少子化や単身世帯の増加を背景に、ペットを「家族の一員」として大切にする飼い主が増え、ペットの食事にも人間と同等の品質を求める傾向が強まっています。

ヒューマングレードの普及

近年のペットフード市場で最も顕著なトレンドが「ヒューマングレード」(人間が食べられる品質の原材料を使用したペットフード)です。従来のペットフードは人間の食品製造で出る副産物や規格外品が原料として使われることが多かったのですが、飼い主の意識の高まりにより、人間の食品と同等の品質基準で原料を選定する商品が支持されるようになりました。

  • 原料の透明性:「鶏肉」「牛肉」のように原料を明確に表示し、「肉類」「家禽ミール」のような曖昧な表記を避ける傾向にあります。飼い主は原料表示を細かくチェックするため、情報の透明性が信頼獲得の鍵です。
  • 国産原料へのニーズ:安全性への関心から、国産原料を使用したペットフードへの需要が高まっています。国産鶏肉、国産野菜、国産魚など、産地を明記した商品は差別化要因になります。
  • 添加物フリー:合成保存料、着色料、香料を使わない「無添加」を謳う商品が増えています。天然由来の酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物など)を使用するのが主流です。

グレインフリー・アレルギー対応

穀物を使用しないグレインフリーのペットフードも人気カテゴリのひとつです。犬や猫の食物アレルギーへの配慮から、小麦、とうもろこし、大豆を避けた処方が支持されています。代わりにサツマイモ、エンドウ豆、タピオカなどの炭水化物源を使用します。また、単一たんぱく源(鹿肉のみ、魚のみなど)で構成されたアレルギー対応食も需要が高まっています。

新規参入のチャンス

ペットフード市場は大手メーカーが大きなシェアを持つ一方で、ニッチ・プレミアム領域では新規ブランドが成功している事例が多くあります。SNSやD2C(直販)モデルを活用し、ブランドストーリーや原料へのこだわりで差別化する戦略が有効です。ペットショップ、トリミングサロン、動物病院、ペットホテルなどを運営する事業者がオリジナルブランドのペットフードを展開するケースも増えています。

ペットフード安全法と法的要件

ペットフードの製造・販売を行うにあたって、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称:ペットフード安全法)を理解し遵守することが不可欠です。この法律は2009年に施行され、犬および猫用のペットフードの安全性を確保するために定められました。

ペットフード安全法の概要

ペットフード安全法は、犬と猫のペットフードを対象とした法律です(それ以外のペット種は対象外)。以下の主要な規制があります。

  • 事業の届出:ペットフードの製造業者、輸入業者は、事業開始前に農林水産大臣および環境大臣に届出を行う必要があります。OEMで製造を委託する場合、製造そのものはOEMメーカーが届出済みですが、自社ブランドで販売する場合の届出義務については事前に確認が必要です。
  • 成分規格・製造基準:ペットフードに含まれる有害物質の基準値が定められています。アフラトキシンB1(カビ毒)、農薬(エトキシキン、BHA、BHTなど)、重金属(ヒ素、鉛)などについて、許容基準値が設定されています。
  • 表示の基準:ペットフードのパッケージには、名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名および住所を表示することが義務付けられています。
  • 帳簿の備え付け:製造・輸入・販売の記録を帳簿に記載し、一定期間保存することが求められます。

表示基準の詳細

ペットフード安全法に基づく表示基準は、人間の食品表示法とは異なるルールが適用されます。

  • 名称:ペットフードの名称(犬用フード、猫用おやつなど)を記載します。
  • 賞味期限:年月日または年月で表示します。
  • 原材料名:原則として使用量の多い順に記載します。添加物も含めて表示が必要です。
  • 原産国名:最終加工が行われた国を記載します。日本国内のOEMメーカーで製造すれば「日本」と表記できます。
  • 事業者の名称および住所:製造業者または販売業者の情報を記載します。

ペットフードの種類と分類

ペットフードは用途や目的によっていくつかの種類に分類されます。どの種類の商品を開発するかによって、求められる基準や表示が異なります。

  • 総合栄養食:そのフードと水だけで必要な栄養が摂取できるフード。AAFCO(米国飼料検査官協会)やFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の栄養基準に適合する必要があります。
  • 間食(おやつ・スナック):しつけやご褒美、コミュニケーション目的で与えるもの。1日の必要エネルギーの20%以内が目安とされています。
  • 療法食:特定の疾病に対応するために栄養バランスを調整したフード。獣医師の指導のもとで使用されます。
  • 一般食(副食):おかずタイプのフードで、総合栄養食と併用して与えるものです。

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原料選定とAAFCO/FEDIAF基準に基づく栄養設計

ペットフードの品質を決定づける最も重要な要素が原料の選定栄養バランスの設計です。特に総合栄養食を開発する場合は、国際的な栄養基準に適合させる必要があります。

原料選定のポイント

ペットフードの原料選定では、安全性、栄養価、嗜好性の3つのバランスが重要です。

  • 主要たんぱく源:鶏肉、牛肉、豚肉、鹿肉、馬肉、サーモン、白身魚、卵など。犬・猫ともにたんぱく質が最も重要な栄養素であり、良質な動物性たんぱく質を主原料とすることが市場のトレンドです。単一たんぱく源で構成するとアレルギー対応にもなります。
  • 炭水化物源:白米、玄米、大麦、サツマイモ、ジャガイモ、タピオカなど。グレインフリーの場合はイモ類や豆類を使用します。犬用と猫用で必要な炭水化物量は異なり、猫は犬よりもたんぱく質・脂質の比率を高める必要があります。
  • 脂質源:鶏脂、サーモンオイル、亜麻仁油、ココナッツオイルなど。オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は皮膚・被毛の健康に寄与するため、積極的に配合するブランドが増えています。
  • 機能性素材:乳酸菌、オリゴ糖(腸内環境)、グルコサミン・コンドロイチン(関節ケア)、ルテイン(目の健康)など、健康機能を訴求できる素材を配合することで差別化が図れます。

AAFCO/FEDIAF基準とは

AAFCO(米国飼料検査官協会)FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)は、ペットフードの栄養基準を定める国際的な機関です。日本ではペットフード公正取引協議会がAAFCOの基準を参考にした栄養基準を採用しています。

  • 成長期と成犬・成猫期:ライフステージによって必要な栄養素量が異なります。子犬・子猫の成長期はたんぱく質やカルシウムなどの栄養素をより多く必要とします。AAFCOの基準には成長期用と成犬・成猫期用の2つの基準が設定されています。
  • 最小値と最大値:たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなど約40種類の栄養素について、最小値(一部は最大値も)が定められています。これらの基準を満たすことで「総合栄養食」と表示できます。
  • 給与試験:AAFCO基準への適合は、配合計算による分析値での確認(分析試験)か、実際にペットに給与して健康状態を確認する方法(給与試験)のいずれかで行います。

アレルゲン対応

ペットの食物アレルギーは飼い主にとって大きな悩みであり、アレルゲン対応商品の需要は非常に高いです。

  • 新奇たんぱく質:鹿肉(ベニソン)、カンガルー肉、馬肉、昆虫たんぱく質など、一般的なフードに使われにくいたんぱく質は、アレルギーを持つペットに適しています。
  • 加水分解たんぱく質:たんぱく質を酵素で細かく分解し、アレルギー反応を起こしにくくした原料です。療法食で多く使用されます。
  • 製造ラインのコンタミ対策:アレルゲン対応を謳う場合は、製造ラインでの他の原料との交差汚染(コンタミネーション)に配慮する必要があります。OEMメーカーの製造ライン管理体制を確認しましょう。

製造形態の選び方と商品設計

ペットフード・ペットおやつには多様な製造形態があり、ターゲットとするペットの種類やサイズ、商品コンセプト、販売チャネルに応じて最適な形態を選ぶ必要があります。それぞれの製造形態の特徴と向いている商品を理解しましょう。

ドライフード(カリカリ)

最も一般的なペットフードの形態で、市場の大部分を占めています。エクストルーダー(押出成形機)を使って高温高圧で成形・膨化させた後、乾燥させて製造します。

  • メリット:常温で長期保存が可能(賞味期限1〜2年)、物流コストが低い、1食あたりのコストが安い、歯の健康維持に寄与するとされる。
  • デメリット:嗜好性(食いつき)がウェットフードに比べると低い傾向、高温処理で栄養素の一部が損失する可能性。
  • ロットの目安:エクストルーダーの最小稼働量の関係で、最小ロットは比較的大きく、数百kg単位が一般的です。

ウェットフード(缶詰・パウチ)

缶詰やレトルトパウチに充填して加熱殺菌するタイプです。水分量が70〜80%と高く、嗜好性が非常に高いのが特徴です。

  • メリット:食いつきが良い、水分補給にもなる、食欲が落ちた高齢ペットにも向いている。
  • デメリット:開封後は冷蔵保存が必要、重量があるため物流コストが高い、1食あたりのコストが高い。
  • 向いている商品:プレミアムフード、療法食、シニアペット向け、一般食(おかずタイプ)。

フリーズドライ

食材を凍結した状態で真空乾燥させる方法で、栄養素や風味の損失が最も少ない製法として注目されています。

  • メリット:栄養価が高い、素材の風味が残りやすい、超軽量で送料が安い、常温保存が可能。
  • デメリット:製造コストが高い、製品単価が高くなる。
  • 向いている商品:プレミアムおやつ、トッピング用フード、トレーニングトリーツ。

ジャーキー・乾燥おやつ

肉や魚を乾燥させたおやつで、ペットおやつ市場の主力カテゴリです。シンプルな原料と製法で「素材そのまま」を訴求しやすいのが特徴です。

  • メリット:原料がシンプルで安心感がある、噛み応えがあり歯の健康にも良い、常温保存が可能。
  • デメリット:乾燥に時間がかかる、原料の品質がそのまま味に反映される。
  • 向いている商品:ご褒美おやつ、しつけ用トリーツ、デンタルケアおやつ。

商品設計のアドバイス

初めてペットフードをOEMで開発する場合は、まずおやつ(間食)カテゴリからスタートするのがおすすめです。総合栄養食はAAFCO基準への適合が必要で開発難易度が高いのに対し、おやつは比較的シンプルな処方で始められ、小ロット対応のOEMメーカーも見つけやすいです。ジャーキーやフリーズドライのおやつで実績を作り、ブランドの認知度を高めてから総合栄養食に展開する段階的なアプローチが効果的です。

ペットフードOEMメーカーの選び方と開発の進め方

ペットフードのOEM開発を成功させるためには、自社の商品コンセプトに合ったOEMメーカーを選ぶことが重要です。ペットフード専門のOEMメーカーは、人間の食品OEMメーカーとは異なる専門知識と設備を持っています。

OEMメーカー選定のチェックポイント

  • 製造形態の対応:ドライフード、ウェットフード、フリーズドライ、ジャーキーなど、目的の製造形態に対応できる設備を持っているか確認します。すべての形態を1社でカバーできるメーカーは少ないため、商品によってメーカーを使い分けることも検討しましょう。
  • 品質管理体制:HACCP認証の有無、原料の受入検査体制、製品の安全性検査(微生物検査、重金属検査など)の実施状況を確認します。ペットフード安全法で定められた成分規格の検査体制も重要なチェックポイントです。
  • ヒューマングレード対応:ヒューマングレードを謳う場合は、人間の食品と同等の衛生管理基準で製造できるメーカーを選ぶ必要があります。人間の食品製造の許可を持ち、その基準でペットフードも製造しているメーカーが理想的です。
  • 最小ロットと価格:ペットフードの最小ロットはメーカーや製造形態によって大きく異なります。ドライフードは数百kg単位、ウェットフードはレトルト殺菌機の処理単位、ジャーキーは数十kg単位からなど、事前に確認しましょう。
  • 栄養設計のサポート:総合栄養食を開発する場合は、AAFCO/FEDIAF基準に適合する処方設計のノウハウが必要です。ペット栄養学の知見を持つスタッフが在籍するメーカーが望ましいです。

開発の一般的な流れ

ペットフードのOEM開発は、以下のステップで進められるのが一般的です。

  • Step 1:コンセプト設計:ターゲット(犬/猫、年齢層、サイズ)、商品の種類(総合栄養食/おやつ)、差別化ポイント(原料、機能性、コンセプト)を明確にします。
  • Step 2:OEMメーカーとの打ち合わせ:コンセプトを共有し、使用原料、製造形態、ロット数、概算見積もりを確認します。
  • Step 3:試作・試食:OEMメーカーが試作品を製造し、実際にペットに与えて嗜好性を確認します。複数回の試作を経てレシピを確定します。
  • Step 4:パッケージデザイン・表示作成:ブランドのデザインコンセプトに基づくパッケージを制作し、ペットフード安全法に準拠した表示を作成します。
  • Step 5:量産・品質検査:量産を開始し、製品の品質検査(栄養成分分析、微生物検査など)を実施します。
  • Step 6:販売開始:自社EC、ペットショップ、ペット用品のECモールなどで販売を開始します。

販売チャネルと集客

ペットフードの販売チャネルは多様化しています。

  • 自社ECサイト:ブランドストーリーを直接伝えられ、利益率も高い。定期購入(サブスクリプション)モデルとの相性が良い商品カテゴリです。
  • ペット用品ECモール:ペット用品専門のECモールに出店することで、ペットオーナーへの効率的なリーチが可能です。
  • ペットショップ・ペットサロン:実店舗での取り扱いは信頼性の向上につながります。試食サンプルの配布と合わせて提案しましょう。
  • 動物病院:療法食や機能性フードの場合、獣医師の推奨は強力な販売促進要因になります。
  • SNSマーケティング:InstagramやTikTokでのペット写真・動画はエンゲージメントが高く、ペットフードブランドの集客に非常に効果的です。飼い主コミュニティとの関係構築がブランドの成長を支えます。

よくある質問

Q. ペットフードのOEMを始めるにはどんな届出が必要ですか?
ペットフード安全法により、犬・猫用ペットフードの製造業者・輸入業者は農林水産大臣および環境大臣に事業の届出が必要です。OEMで製造を委託する場合、製造そのものはOEMメーカーの届出で行われますが、自社ブランドで販売する場合の届出義務については事前に確認が必要です。
Q. ペットフードの「ヒューマングレード」とは何ですか?
人間が食べられる品質の原材料を使用したペットフードを指します。原料の透明性(「鶏肉」のように明確に表示)、国産原料の使用、合成保存料・着色料・香料を使わない無添加処方などが特徴です。飼い主の安全意識の高まりにより、ヒューマングレード対応が市場の大きなトレンドとなっています。
Q. 初めてペットフードをOEM開発する場合、何から始めるべきですか?
おやつ(間食)カテゴリからスタートするのがおすすめです。総合栄養食はAAFCO基準への適合が必要で開発難易度が高いのに対し、おやつは比較的シンプルな処方で始められ、小ロット対応のOEMメーカーも見つけやすいです。ジャーキーやフリーズドライのおやつで実績を作ってから総合栄養食に展開するのが効果的です。
Q. 総合栄養食を開発する場合、どんな栄養基準を満たす必要がありますか?
AAFCO(米国飼料検査官協会)またはFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の栄養基準に適合する必要があります。たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなど約40種類の栄養素について最小値(一部は最大値も)が定められており、成長期と成犬・成猫期でそれぞれ異なる基準があります。
Q. ペットフードのOEMメーカーを選ぶ際のポイントは?
目的の製造形態(ドライ・ウェット・フリーズドライ・ジャーキーなど)に対応する設備があること、HACCP認証などの品質管理体制、ヒューマングレード対応が可能か、小ロットから始められるか、AAFCO/FEDIAF基準に適合する処方設計のノウハウがあるかを確認しましょう。ペット栄養学の知見を持つスタッフが在籍するメーカーが望ましいです。

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