中東の食品商社が日本の調味料OEMでハラール対応和風ソースシリーズを開発
アラブ首長国連邦の食品商社が日本の調味料OEMメーカーと連携し、ハラール対応の和風ソースシリーズ(照り焼き・ポン酢・ごまだれ・焼肉のたれ)を開発。中東6カ国のスーパーで展開中。
客户国家
アラブ首長国連邦
客户类型
食品商社
产品类别
調味料(和風ソース)
项目周期
9ヶ月
项目概览
プロジェクト期間
9ヶ月
発注ロット数
3,000本×4種
初期投資
約450万円
成果
中東6カ国のスーパーで展開
プロジェクトの背景
ドバイに本社を置く食品商社「Al-Nihon Foods」は、中東地域で日本食品の輸入・販売を10年以上手がけてきました。近年、中東で日本食レストランの急増に伴い、家庭でも使える日本の調味料への需要が高まっていました。
しかし、既存の日本製調味料の多くはハラール認証未取得で、原材料にみりん(アルコール含有)や動物由来エキスが含まれており、ムスリム消費者が安心して使える製品が市場に不足していました。Al-Nihon Foodsは、ハラール対応でありながら本格的な日本の味を再現した和風ソースシリーズの開発を決断しました。
OEMメーカー選定のプロセス
OEM JAPANを通じて5社の調味料OEMメーカーにコンタクト。選定基準は以下の通りです。
- ハラール認証(JAKIM認証またはMUI認証)を取得済みまたは対応可能
- みりん不使用でもコク深い味を再現できる処方技術
- 4種類の同時開発に対応できる開発体制
- 中東への輸出実績があること
- 英語またはアラビア語での対応が可能
最終的に、愛知県の調味料OEMメーカーF社を選定。F社はJAKIMハラール認証を取得済みで、マレーシア・インドネシア・中東への調味料輸出実績が豊富。独自の発酵技術により、アルコール不使用でもうま味の深い調味料を製造できる点が決め手となりました。
開発プロセス
4種のソース(照り焼き・ポン酢・ごまだれ・焼肉のたれ)を同時に開発。F社の開発チームがハラール対応の代替原料を駆使して日本の伝統的な味を再現しました。
| フェーズ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 市場調査・レシピ設計 | 1.5ヶ月 | 中東消費者の味覚調査、ハラール代替原料の選定 |
| 試作1〜4回目 | 3ヶ月 | 4種同時試作、ドバイでの試食テスト実施 |
| 保存性・安全性試験 | 1.5ヶ月 | 賞味期限設定、微生物検査、栄養成分分析 |
| パッケージ設計 | 1.5ヶ月 | アラビア語・英語・日本語の3言語表示ラベル設計 |
| 本生産・出荷 | 1.5ヶ月 | 3,000本×4種の製造、輸出書類作成 |
最大の技術的課題はみりん不使用での照り焼きソースの開発でした。F社は米麹由来の甘味料と独自の酵素分解技術を組み合わせ、アルコールを一切使わずに「照り」と「コク」を実現。ドバイでの消費者テストでは、日本在住経験のある中東出身者からも「本場の味に近い」と高い評価を得ました。
量産と結果
初回ロットは3,000本×4種(合計12,000本)で製造。F社のJAKIMハラール認証済み製造ラインで生産されました。
品質管理・輸出対応のポイント:
- JAKIM認証のハラールロゴを全製品に表示
- UAE ESMA(標準化・計量庁)の食品安全基準に適合する成分表示を作成
- アラビア語・英語・日本語の3言語ラベルを採用
- 40℃以上の高温環境を想定した保存性試験を実施
- ドバイ・ジェベルアリ港向けCIF条件での輸出を手配
「Nihon Kitchen」ブランドとして発売後、UAE・サウジアラビア・カタール・クウェート・オマーン・バーレーンの中東6カ国のスーパーマーケットで販売を開始。特に照り焼きソースが人気で、発売3ヶ月で追加発注が決定しました。
学んだこと
このプロジェクトから得られた主な教訓は以下の通りです。
- ハラール対応は処方レベルから:認証取得だけでなく、原材料一つひとつのハラール適合性確認が必須。みりん・料理酒・動物由来エキスの代替は高度な処方技術が必要
- 高温環境への対応:中東の物流環境(40℃超)を考慮した保存性設計が不可欠。日本国内の基準だけでは不十分
- 現地試食テストの価値:試作段階でドバイの消費者に試食してもらうことで、味の方向性を早期に修正でき、手戻りを最小化できた
Al-Nihon Foodsは2ndロットとして各種5,000本を発注済み。新たに和風ドレッシングとめんつゆのハラール版開発も進行中で、中東における「ハラール日本食」のリーディングブランドを目指しています。